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Freeを他人に要求するな

2009年に発売され、話題になったビジネス本「Free」。

ざっくりと要約すると、
「無料でサービスを提供してユーザを集めた場を作り、
その場をもって収入を生み出すビジネスモデルがこれからの主流になる」
といったもので、例えばYouTubeがそのビジネスモデルに当たります。

なかなかの良著だったのですが、
この本が出た辺りから、この内容を曲解、
もしくは悪用する人をよく見るようになりました。

いわく、
「あなたにはまだ、実績もお金もない。
でも起業するのなら、この本にあるように、まずは自分の身を切って、
あなたの(技術/時間/サービス/商品)を無料で提供してほしい。
私が提供してもらったものでビジネスをして儲けたら、
あなたの大きな実績になるし、その時は報酬であなたにお返しをするから」

そんな言葉を起業しようとする人に投げかける人が。

上記の例では、提供する側はすでに技術/時間/サービス/商品を売ったのだから、
その時点で報酬が発生しないのは間違いです。
また、将来に渡ってお返しはまずありません。
どんなに魅力的な提案に見えても、避けるのがベター。

また、提供を受けようとした側も、起業家のことがままあります。
僕も、とある起業塾に参加した際、このやり方での起業を示唆されたことがあります。
ですが、その人がどれだけ誠実な人だったとしても、
恨みを買うだけで起業失敗に終わる可能性が非常に高いです。

中小企業庁が公開している起業後の廃業率によると、起業後5年で個人事業主は7割、法人は5割廃業すると読み取れます。
つまり、起業後5年で生き残れる確率は30~50%、
その中で「成功している」といえる状態にあるのはさらに少ないでしょう。

つまり、大半の人はこのやり方で起業してもうまくいかないまま、
支払いもできないままになるのです。

起業に失敗することは悪いことではありません。
起業では、うまくいくまでトライ&エラーを繰り返すのが普通で、
廃業に追い込まれても再チャレンジ、ということも、ままあります。

ですが、チャレンジのたびに他人に恨みを買うようなやり方では、
どんどん状況が悪くなって誰の助けも受けられなくなり、再チャレンジもできなくなってしまいます。

痛みは他人に要求せず、自分で受けましょう。

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